第144章 悪巧み

工藤達央は軽く笑っただけで、何も言わなかった。

花岡友哉は長年、損ばかりしてきた。だが、だからこそ身についたものがある。

もし花岡友哉が幼い頃から花岡邦也に溺愛されて育っていたなら、今ごろは食って寝て、親の金で遊んでいるだけのボンボンになっていただろう。

工藤達央も同じだ、と自分で思う。幼い頃から味わってきたつらい経験が、自分を鍛え上げた。あれがなければ、身についた技も知恵もなく、せいぜい金だけはあるが何もしない遊び人で終わっていたはずだ。

「工藤さん、正直に言うとね……身体が戻ってからずっと考えていたんだ。花岡家も督軍府も、友哉に任せようって」

「俺はもう、十分満足してる。ここま...

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